相場展望~金と銀・3月17日号
マイナス金利が導入された結果、貸し出し先のない地銀は従来の国債買いに加え、REIT投資を増やしました。企業は自社株買いを増やしました。自社株担保で買収を繰り返すソフトバンクは背水の陣で5000億の枠設定、日産は4000億、新日鉄も1000億という具合です。生保や年金はいずれ日本国債から炙り出される形で米国債投資を増やす事になりましょう。
個人ベースでは住宅ローン利用者が拡大するでしょう。不動産投資を必要としない富裕層の反応は違った形で現れました。金庫の売り上げが一年前の倍になったのです。そして1万円紙幣が紙幣全体の92%を占めるに至りました。韓国のカジノでは日本人客が勝つと円紙幣で渡さず、市中ではあまり流通していない10万ウォンの紙幣というか小切手を渡しますが、日本では10万円札を作れば富裕層は喜んでとびつく事になりましょう。
中国工商銀行のマドリード支店幹部6名がマネーロンダリング容疑でスペイン警察に逮捕される事件が起きました。犯罪組織が密輸や脱税で得た資金を中国に不正送金する手助けをしていた容疑がかけらており、欧州警察機構(ユーロポール)は、マネーロンダリングの規模は4000万ユーロ(約51億円)以上としています。今やマネーロンダリング・麻薬決済・武器密輸等の決済には$100紙幣より500ユーロ紙幣が使われている事が多く、これによって、一般の庶民が使わない500ユーロ紙幣廃止が提案されるようになりました。アメリカでもサマーズ元財務長官が100$紙幣の新規発行停止を訴えていますが、同じような理由によるものです。
紙幣は日常生活には欠かせませんが、高額紙幣廃止論が世界的に台頭してきているのです。NYダウが下落すると金価格は上がるという傾向がありますが、高額紙幣廃止でますます金の価格は上がる事になります。さらに銀・ワイン・絵画へと投資先は進むはずです。金に比べ著しく割安な銀投資こそ、今取るべき行動といえましょう。