バブルの定義・6/25
平成27年6月25日号(相場展望~バブルの定義)
経済成長率とはGDPが前年比でどの程度成長したかを表します。その数式は
経済成長率 = (当年のGDP – 前年のGDP) ÷ 前年のGDP × 100です。
リーマンショックという恐慌を招きかねない出来事に対して各国は金利を出来うる限り引き下げました。経済成長率がマイナスに落ち込んだと判断すれば、金利を限りなくゼロに近づけてよいと考えた為です
1980年以降の統計をみますと、名目GDP成長率は大半の年で長期金利(10年債)を下回っています。経済が順調ならば、金利を高めにして、過剰投資をさせない為です。GDP成長率が長期金利を上回ると必ずバブルが発生します。
日本では88~89年が、それに該当し、資産バブルの頂点でした。
アメリカでは98~2000年のITバブルの時、さらに2003~2006年のサブプライムバブルの時が該当します。ドイツでは2006~2007年にサブプライムバブルが波及しました。現在はどうかというと日米欧いずれも、GDP成長率が長期金利を上回っています。日本は上回って、まだ日が浅いですが、アメリカは1年以上経過しており、ハイイールド債と呼ばれるジャンク債が人気化しており、危険な状態です。この状態から抜け出すために、金利を正常化しようとしていますが、株価下落を恐れて、なかなか踏み切らないでいます。欧州の場合はゼロ金利を通り越し、マイナス金利まで導入しましたが、5月以降はドイツ国債利回りが急騰して、平衡感覚を保っています。
一番危険な国は中国です。地方政府が上げてくる数字と中央政府の予測した数値は常にかけ離れていて、7%成長という数値自体、怪しいものですが、この半年間に3度も利下げをした為に10年債は3.5%平均で推移しています。
10年債のピークは4.9%でした。その時でも中国政府は8%成長を主張していましたら、ずっとバブル状態が続いているという事になります。
バブルの末路は常に哀れです。日本の場合はピークに比べ、株価も地価も1/3以下になり、アメリカの場合はITバブルは同時テロ・エンロン破綻によって、壊滅し、サブプライムはリーマン破綻によって破裂しました。中国のバブルが破裂する時、それはリーマン並みの信用収縮が起きる事になりましょう。