相場展望~対中外交の転換・12月22日号
オバマ政権の最大の負の遺産は、ロシアを敵対視するあまり、中国を甘やかし、国際法が通じない暴走国家にしてしまった事です。そしてロシア制裁が度が過ぎて、軍事的にロシアと中国を接近させてしまいました。
トランプ政権の賢明な外交アドバイサーはロシアとの修復を図ろうとしています。大統領・副大統領(上院議長)に次ぐ地位は下院議長と国務長官ですが、その国務長官にロシアから受勲した事があるエクソンのCEOティラーソン氏を指名しました。マケインなどの共和党保守派からは反対の声をでていますが、南沙諸島に軍事施設を作り、国際司法裁判所の判決を無視し、さらにアメリカの無人潜水艦を勝手に引き上げる狂人の行動をする中国をこれ以上放置する事はできません。
アメリカは国家安全保障関係に3人の退役軍人のトップを据えました。マイケル・フリン安全保障補佐官は、シリアアサド政権を倒す為にはイスラム国に加担してるオバマ政権を批判して情報局長を解任されたまともな人物であり、人を殺す事が楽しくてしょうがない狂犬とあだ名されるジェームス・マティス国防長官は、イスラエルのヨルダン河西岸地区への入植や壁建設を批判し、パレスティナ国家樹立を進言したまともな人物、ジョン・ケリー国土安全保障長官も反ネオコンの人物で、好んで戦争を起こす人々ではありません。
トランプは根っからの商売人であり、経済であり、外交であり、常に平等・公平を旨とする人物です。アメリカがハンディを負ってまで、北米貿易協定もTPPも無用ないし見直しが必要と考えます。トランプがツイッターでつぶやいた、”中国は南シナ海の真ん中で大規模な軍事複合施設を建設していいか了承を求めたのか””中国を為替操作国に認定し中国製品の輸入関税を45%にする””米国が数十億$も武器を台湾に売っているに台湾からの祝意を電話受けるべきでない、などという指図は受けない”の3つに代表されるように、最大の敵対国はフェアでない中国という事になります。
中国が台湾や尖閣に威嚇ちょっかいでも出したら、米国債敵対国条項を適用し、米国債徳政令を行う腹です。むしろ南沙諸島を爆撃して挑発してそういう方向にもっていきましょう。