相場展望~株式希薄化・12月8日号
日銀の保有する国債は400兆円を突破しました。発行残高は1100兆円で4割近くをもっている事になります。まったく売るつもりはありませんから、いずれ消却という形となります。お父さんの借金をお母さんが返す、一国としては健全なバランスシートです。国は増税の口実として1200兆円も借金があるとしますが、今の時点でも本当の借金は400兆円もありません。今の調子で国債の買い付けを日銀が行うと後3年で借金は無くなります。めでたし、めでたしです。天下り先を失う官僚は次にどんな嘘をつくのでしょう。どんな嘘をつくか楽しみです。
日銀の保有する株式ETFは10兆円を突破しました。2017年末には225銘柄中55銘柄の筆頭株主となります。株式ETFの60%を既に取得しています。225銘柄の中には統合しなければ生き残れない船株が3つもあります。ユニチカも本来225から外すべき株です。額面を変更して健全を装う会社も増えました。50円額面を500円にすれば優良企業にみかけは見えます。東電が500円を割っても倒産会社でなく、三菱自動車が500円を割っても健全会社に見えます。既に競争原理が働かなくなっています。本来市場から淘汰されるべき企業が残り、それを国が支えます。
1980年代以降、NTT・JR・JTそして郵政3社が次々と民営化し、競争原理を導入し産業を育成していくという名目の元に政府の資産を切り売りし、資金調達を民間からしてきた流れとまったく反対の事が行われています。今や民間から資金調達しなくてもやっていけるのです。国の本音はMBOをして三公社五現業にもどしたいと思っているはずです。形ばかりの民営化をしてもNTTもJTもJRもすべて親方日の丸のままで、経営しています。経営の態度を見ればその端々にそれが現れます。民間企業で客を1時間も待たせて平気なドコモはどうかしています。
株価は日銀のETF買いによる吸い上げで品薄化・希薄化して仕手化しています。そうでなければ立ち合いたった16日間で16111~18746まで上がるはずはありません。大半の人は希薄化は上げにばかり優位に働くと考えています。下げる時もわずか売り仕掛けで同様になるはずです。