相場展望~サムスン危機・11月17日号

相場展望~サムスン危機・11月17日号

シュールストレミングというニシンを塩漬けにして発酵させた商品の缶詰は飛行機に持ち込みは禁止です。機内で爆発して物凄い異臭騒ぎが起きた為です。これと同じようにサムスンのスマホ ギャラクシーノート7は航空各社で持ち込み禁止となりました。発火騒ぎが起きた為です。これは逆宣伝効果抜群の事件であり、サムスン製品すべての信頼さえ損なう事件でした。アップルとの特許侵害訴訟でも負け続けています。元々、自社で新製品は開発する能力はなく、他社製品を分解して巧妙にまねて自社製品のように装う、リバースエンジニアリングモデルで成長してきた会社です。最近は真似の対象であった日本企業が中韓台の安売り攻勢にあきれて、新しい製品を作らなくなりましたので、真似もできない、そこで日本企業をやめたエンジニアを引き抜く荒業を続けましたが、韓国内に製品研究開発の土壌がないので、なかなか新製品を作れません。

GDPの56%を輸出に頼る韓国にあって、その22%を一社で担うサムスン電子は国策会社であって国家の屋台骨を支える会社です。サムスン傾けば国家の危機でもあります。輸出の13%を担う現代自動車もストライキの影響で売り上げを落としています。加えてコンテナ輸出の大半を握っていた韓進海運の倒産によって、接岸料金の踏み倒しを懸念して、入港を拒否する国が増えました。たとえ接岸できても、乗組員の逃亡懸念で上陸が許可されません。

サムスンは必死です。儲かるものには何でも手を出し、特化集中生産します。液晶パネル・半導体・スマホという具合です。逆に言えばサムスンが次に手を出したものが儲けのヒントです。スマホに陰りが出るとバイオ医薬品の受託製造に力を入れました。さらにアメリカのカーナビなどの部品メーカーのハーマンインターナショナルを8600億で買収しました。自動車関連のIOTこそ次の活路と考えているのです。

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