相場展望~PTSとロボット・9月15日号
SBI証券には夜間も株式取引ができる私設取引システム(ProprietaryTradingSystemの頭文字をとってPTS)があります。昼間働いていて取引ができないサラリーマンなどが夜間や早朝に売買する利便を提供している事をウリにしています。今の所現金の範囲でしか売り買いができない現物取引だけですが、金融庁は来年からPTSにも信用取引を認める方針です。これによってたくさんの証券会社が参入する事になりましょう。投資家をカジノ中毒にするつもりです。取引所を通す時間外商い(寄り付き前、昼休み時間帯、大引け後)としては最低売買単位の300倍という条件で大口クロス商いがありますが、登録顧客数が少ない証券会社のPTSでは商いの成立が容易ではありません。PTS拡大は外国人投資家の要望に沿う為のものでしょう。
また最近はコンピュータープログラムが投資家に資産運用の助言をするロボットアドバイサーがはやってきています。運用額の0.2~1%位を信託報酬として受け取っています。夜間取引も充実して、ロボット売買が主流になると、両社を利用しない一般投資家は朝起きると株価の景色の激変に唖然とするかもしれません。ロボットは人間と違い24時間休みなく注文を出し続けられます。ブラックマンデーを引き起こしたのはアルゴリズムロボットトレーディングでした。その再発を防ぐべく様々な規制も設けられましたが、リーマンショックやBrexitのような事件が起きるとロボットには歯止めがかからないようになります。いずれロボットが実態経済を破壊しましょう。
日銀の株式ETF購入枠は3兆円から6兆円へと増額され、一日あたりの購入代金は707億となりました。つつましやかに下げた日だけ株価を買い支えていた時とは執行態度が変わり、不要と思えるような時まで購入する事が多くなりました。中央銀行がETFを購入するというのは世界的にみても類がない異例の政策であり、既に累計購入額は9兆円にも達しています。225連動のETF買いの為にNT倍率が歪んでいきます。外国人が225買いTPOIX売りの裁定を組む為です。今週に入り連日のように733億を購入していますが、その効果は思ったほどのものではありません。なにより外国人は日銀が買えない夜間に主導権をとり株価を操作いたしましょう。歴史は夜にロボットによって作られるのです。