相場展望~震度7の誤警報・9月8日号

相場展望~震度7の誤警報・9月8日号

昔から龍吟ずれば雲起こり、虎嘯けば風生ずと言います。風雲急を告げ、龍虎相見合う、虎も龍も嵐を起こすような力があると思われていました。大きな地震の前には飛行機雲に似て非なる太い帯状の雲が放射線状に拡がります。地上から発せられる電磁波の異常な量は地震雲を作り、時には警報を発します。8/1に東京湾で震度7の地震が起きるという警報を気象庁が発し、電車の多くを緊急停止させました。警報は東京だけでなく神奈川・千葉・埼玉と広範囲に震度7を示していました。警報は千葉県内の地震計の電源故障が原因で15秒後に取り消されましたが、巨大な雷雲があったのも事実です。

震度7の地震は阪神大震災・新潟震災・東日本大震災・熊本大震災と4度しか記録がなく、熊本地震前は余震がいくつかあったのに対して熊本はいきなりきたので、気象庁は警報発令にナーバスになっていたと察します。

大地震は台風や雨雲が連れてくるという説もありますが、震度7の地震はいずれも快晴の時に起きています。火災被害が多いのも晴れているからです。 実際に起きなくて本当に良かったと思いますが、文部科学省が南海トラフ全域断層調査に乗り出したのは、一般に公開しないなんらかの危険サインを把握している為です。重点調査域は豊後水道よりもはるか下と、白浜沖・伊勢志摩から伊勢湾にかけての3つです。後者二つは中央構造線を明確に意識しています。今回の熊本地震が中央構造線に沿って大分地震へと移動したようにさらに東に移動する事が注意サインなのです。伊予沖で震度4の地震が発生したのをみて、にわかに南海トラフ調査となりました。

緊急地震速報には一般利用者にも知らせる明らかな揺れを伴ったものと、大事故を未然に防ぐ為に鉄道各社・高層ビルなどに配信する高度警報の二つがあります。今回誤報扱いとなったのは後者の高度利用者向けのものであり、こういうシステムがある事自体、むしろそれは非難するよりも誇れるものであるはずです。

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