相場展望~誰が為に鐘が鳴る・7月21日号
アーネスト・ヘミングウェイの名作に誰が為に鐘が鳴るというものがあります。世紀の美人女優イングリット・バーグマンがその映画化作品でアカデミー賞を取りました。スペイン内戦を描いたものです。主人公の役のゲーリー・クーパーは橋の爆破の命を受け爆破するも命を落とします。鐘は死者を弔う為の音てす。表題はイギリスの詩人ジョン・ダンの詩の表題から拝借したものです。ジョン・ダンの詩によれば、私たち人間は、1人で海にぽっかりと浮かぶ孤島ではなく、全員がつながった大陸です。友達が亡くなれば、あなたの大切な一部がなくなるのと同様に、見ず知らずの人の死であっても、あなたは何かを失っている、『ゆえに問うなかれ誰がために鐘は鳴るやと。其は汝がために鳴るなれば』という意味です。
株式市場も始まりと終わりにはオープニングベルとクロージングベルが鳴ります。それは目出度さを鼓舞するだけでなく、誰かの犠牲の上に儲けがある事を知りなさいという意味と私は常々思っています。儲けた人は故に感謝の気持ちを持たなくてはなりません。
7/19から株式先物市場の時間が延長されました。朝は8:45から15:15まで、イブニングセッションの商いは16:30から翌朝の5:30までです。8:45から始まるのはSIMEXの商いへの対応の為、朝の5:30までやるのは外国人投資家がCME先物とのギャップアップやダウンを嫌う為です。私たちは年末年始やゴールデンウイーク・シルバーウィークで異常なギャップに悩まされていても何の救済もないのに、外国人だけの我儘に取引時間がどんどんと変更になる、しかも高速取引は20倍のスピードとなり、まともな投資家は新幹線のぞみが通過するような車両に飛び込めれば参加を認めるようなルールです。
株式市場は本来日本人投資家が最優遇されるべきなのに、現状は海外のコンピューターを優先しています。これは米国市場も同じで、アルゴリズム商いの為に連騰・連続下落がよく起こります。狂っています。オープニングベルは誰が為になるのでしょうか。