相場展望~イギリス離脱・6月16日号

相場展望~イギリス離脱・6月16日号

美人投票とはケインズが金融市場の投資家の行動パターンとしてたとえ話として示したものです。100枚の写真の中から、最も美しいと思う人に投票してもらい、最も得票が多かった人に投票した人々に商品を与えるという条件でやると、投票者は自分が美人と思う人に投票するのでなはなく、平均的な美人と思う人に投票するようになるというものです。

世の中が混沌としてくると圧倒的な人気を勝ち取る人物は少なくなり、僅差の投票結果が多くなります。ペルーの大統領選挙しかり、米国の大統領選挙しかりです。それはまるで不美人投票といってもよいものとなります。アメリカの大統領選挙ではトランプも共和党本流からは不人気、ヒラリーも民主党若年層や軍産複合体に不人気です。今後は大統領になってもらつては困ると思う人に投票しないという屈折した選挙になります。結果としてヒラリー・クリントンが大統領になると予測しています。

東京都都知事選で都民が犯した猪瀬・舛添両知事を連続して選択結果をみれば、選挙は必ずしも正しい選択を皆がするとは限らないのです。私たちが犯した一番の過ちは鳩山由紀夫と菅直人を首相にしてしまった事でも明らかです。イギリスではスコットランドの独立投票が行われ、否決されましたが、今度はEUからイギリスが離脱するかの投票です。イギリスはドルの前の基軸通貨ポンドの国であり、人の下に入る事は望みません。ユーロを採用しなかつたのも当然であり、金融立国として、シティが欧州全体だけでなく世界を未だに支配していたい妄想にかられ続けています。AIIBに真っ先に参加表明したのも、香港ドルの通貨発行権を未だに握っていて、中国を間接支配できるという妄想にかられた為です。グレート草津が偉大なレスラーでないように、グレートブリテンは今やただのブリテンでしかありません。

みずほ総研が予想したように、離脱した場合日経平均は3000円下がり、日本のGDPが0.1~0.8%マイナスなるという予測はイギリスの過大評価です。0.1%マイナスかどうか程度のレベルの話であり、ポンド売りは過剰反応と私は考えます。そもそも、事前に皆が構える悪材料は悪材料になったためしはなく、暴落などはたとえ離脱しても起きないはずです。

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