相場展望~バブル清算すべき国・4月7日号

相場展望~バブル清算すべき国・4月7日号

世界で一流の中央銀行総裁と言えるのはインドのラジャン、イギリスのカーニーの二人だけです。若くて、有能、金融政策はすべて理に適うものばかりで、マイナス金利導入のような奇策は使わず、むしろそれを批判する立場にあります。一流のバンカーとは堅実なプレーの積み重ねをするだけで、ファインプレーのような派手な事はしません。野球で言えば難しい玉も簡単に捕球するように見せるのです。エラーをしないのは当たり前と彼らは考えます。ドラギも黒田も市場を驚かすバズーガ砲のような政策ばかりを好みます。二流のバンカーです。最初にファインプレーをした時の喝采が忘れられないのです。しかしマイナス金利のような奇策は使うべきではありません。政策余地をむしろ狭める結果となるからです。金利の引き上げを1年半も遅らせた挙句、年4度の利上げを2度にするなどいうイエレンは3流です。3流に届かないのが中国の周小川です。資本主義が何たるかを理解していません。

リーマンショック後、負債を増やした二大大国がアメリカと中国です。アメリカは8000億$であった負債が5兆$になりました。中国もリーマンショック直後、ドルベック制の為に4兆元(日本円で当時57兆円)の財政出動と金融緩和をしました。その結果中国民間企業は借入を増やし、投資を拡大、今や金融機関の債務を引いても2578兆円の民間債務を抱えるに至りました。不良債権だけでもその半分には達しているでしょう。金融緩和で紙幣を輪転機でいくら刷っても景気浮揚は長続きしません。貯蓄と投資の好循環を待つのが本筋です。負債を削減するには企業倒産などの痛みが必ず伴いますが、それを両国共に避け続けています。全人代では李克強が改革を70回も連呼し、ゾンビ企業の清算を促しましたが、ゾンビ企業の大半は地方政権の幹部のファミリー企業ですので、清算などできる道理がありません。

本来ならば、一番調整してしかるべきアメリカと中国の株価が上がる時は市場が両国の小手先の経済政策に騙されている時です。原油相場の下落する時、両国の株価が下がるのは、それは欺きが効かなくなった事も意味しているからです。

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