相場展望~G20不要・3月3日号

相場展望~G20不要・3月3日号

G20は、G7の7か国に、アルゼンチン、オーストラリア、ブラジル、中国、インド、インドネシア、韓国、メキシコ、ロシア、サウジアラビア、南アフリカ、トルコ、欧州連合・欧州中央銀行を加えた20か国・地域です。別名金融サミットと言われますが、1999年からスタートしたこの会議では意見がまとまった事が一度もありません。それは身勝手な大国、中国が協調性ゼロで自己主張ばかりする為でもあります。米国・英国・ドイツ・フランス・イタリア・カナダ・日本のG7に時折G8として招かれたロシアの頃は国際的金融危機に協調的対応がまだできました。

今回の世界的下落の震源は中国なのに、有効な対策を打ち出さず、会議参加で袋叩きに合わない為の小手先の対策に終始しています。証券当局のトップ人事を変えても、株価下落の本質は過剰生産の膨大な在庫・不動産バブルの崩壊・異常金融緩和マネーのツケの未払いにあるからです。上場企業の造船会社・江蘇舜天船舶の破綻処理をにわかにしたのも、過剰設備解消のポーズに過ぎないでしょう。普通の資本主義国家ならば、倒産している会社が上場企業中半分以上あるはずですが、地方政府の抵抗と失業者数が急増して社会不安を起こせない為にまともな債務処理ができないのです。

G20の中で過去デフォルトした国はアルゼンチン、ブラジル、インドネシア、韓国、メキシコ、ロシア、南アフリカ、トルコと8ケ国もあり、健全性に疑いのある国家が半分を占めるような状況では金融対策など打ち出す事はできません。8ケ国の中でIMFに今年中にお世話になりそうな国は3つもあります。新たなる金融危機が遠からず現出する事となりましょう。中国はリーマンショックのとき政府債務はほとんどありませんでしたが、今回は中国政府の債務は大きくなっているので、破綻の影響は必ずあります。

中国・韓国を除いたASEAN諸国は日本と通貨スワップ協定を結んでいるので、いざという時に日本経由でドルの融通を受けられますが、中国・韓国はできないのがポイントです。投機筋はそこを見逃さず、両国の株式・通貨を売り浴びせてきましょう。

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