相場展望~ドイツ銀行破綻・2月25日号
ドイツというと勤勉と質実剛健というイメージでしたが、それが大きく崩れつつあります。ユーロ危機は常にギリシャ・スペイン・イタリアといった国々が震源地であり、ドイツ・オランダなどは常に勝ち組とされてきました。2月第二週の世界的急落の原因はドイツ銀行の発行した社債が利払い不能になる可能性が指摘された事でした。ドイツ銀行は欧州のデリバティブの半分以上にかかわる危ない経営をしています。ギリシャのCDSの大半を引き受けていたのもドイツ銀行でした。本来ならば、ギリシャが破たんしていて、その支払いをドイツ銀行がすべきなのに、メルケルは倒産を回避する為にギリシャ救済をしました。チプラスはそれを脅しに使い勝ち得たのです。
ドイツのGDPは4兆$に対して、ドイツ銀行の保有するデリバティブは75兆$です。リーマンショックの時に飛んだお金は80兆円でしたが、2桁違う額なのです。問題視された債券は高リスクのCoCo債ですが、これに関係ないドル建てとユーロ建ての債券を6000億買い戻すと発表して、信用不安の収束を図りました。同行の格付けはトリプルBプラスであり、破綻をいつしてもおかしくないレベルです。VWの排気ガス不正発覚後、リコール費用などをメルケル首相の指示で1兆円の融資をしたのもドイツ銀行でした。いままでドイツ政府は借金を民間銀行に肩代わりさせてきました。日本は政府が借りた事にしているのに対して、ドイツは民間が借りた事にしているのです。収益がまともに上げられないのでCoCo債をはじめとするハイブリッド債という商品を作り闇金・サラ金に手を染めてきました。サブプライム債よりはるかに深刻です。
リーマンショック後不況に陥った事で中国に擦り寄った国は、ドイツと韓国でした。ドイツの輸出依存度は33.6%、韓国の輸出依存度は53%です。両国共に娼婦の多さも世界1位2位です。ドイツは40万人、韓国は27万人です。人間は知恵を売るか、体を売るかいずれかです。不正を働いてまでに輸出を増やしたのは輸出依存度の危険な高さにあるのです。中国・韓国・ドイツいずれも危機を先送りにしてごまかし続けていますが、それも限界に近付いてきました。