相場展望~株式は共産主義を破壊する・1月28日号

相場展望~株式は共産主義を破壊する・1月28日号

共産主義国家には最初は国有企業しかありません。国家財政の範囲での国有企業の発展には限界があり、民営化を促し、株式市場を創設して、資金調達を容易にしようとします。しかし株式市場を作る事は共産主義と背反し、それが共産主義を虫食み、破壊していく事になります。

ロシアに株式市場が創設されたのは1995年でした。それから3年後にロシア危機が起きました。併設されたロシア国債市場の破壊的下落を促し、対外債務90日間の支払い停止処置をとるに至ります。

中国に株式市場が作られたのは1990年でしたが外国人は買えず、国内投資家の買うA株に対して、外国人も買えるB株を導入したのは日本のバブル崩壊後の一番底の年1992年でした。しかも誰でも買える訳ではなく、中国政府が認めた適格外国人機関投資家にのみ許可をし、投資限度額の上限も設けました。上限額は次第に引き上げられ、2013年には800億元・日本円で9.6兆円にまでなりました。2014年には香港と上海の相互売買を認めたので、外国人でも香港経由でA株を一日当たり130億元(2600億円)総額で3000億元(6兆円)の取引が可能となりました。なぜかような処置をとったかというと、上海市場は2008年の北京オリンピックの10ケ月前の6395元で天井打ちとなり、リーマンショックの急落も手伝い2008年11月には1793元まで下落、以後他の先進国株式相場が立ち直る中、著しく相場の低迷が続いていた為です。不動産バブルが弾けたので、それを補う為に株式相場を上げたいという欲望が規制を緩めさせました。

欧米のヘッジファンドの資金も流入2015年6月に5410元の二番天井打ち、以後暴落相場を招くに至ります。上海のチャートは5年ごとに底値がくるサイクルで2003年11月~2008年11月~2013年6月となっています。本当の危機は2018年に来ます。それは1793を大きく割り込んでいるはずです。

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