相場展望~民族自決

相場展望~民族自決

平成26年10月30日号(相場展望~民族自決)

ユーロというせめて共通の通貨だけでも設けようという国境のないボーダレスの試みがされたのは1999年の事でした。徴税権は各国に委ねた為に、財務基盤の弱いギリシャ・ポルトガル・スペイン・アイルランドなどが狙い打ちにあい、国債暴落という憂き目に会いました。こういった国々は、ユーロから離脱して完全なる自決を図ったいと本音では考えていますが、ユーロ分解を恐れて、欧州中央銀行のECBは金利を0.05%まで引き下げ、マイナス金利を導入して、ソブリン危機を回避しています。

EC域内でありながら、イギリスとデンマークは適用除外で自国通貨が維持されました。そのイギリスの内部から、さらに民族自決を図りたいとするスコットランド独立問題が起き、ほかのヨーロッパの国々にも動揺が広がりました。スペインではバルセロナがあるカタルーニヤ自治州で独立を求めるデモが起きました。バスク自治州でもデモが起きました。ベルギーでもオランダ語圏のフランドル地域とフランス話圏のワロン地域の対立が起きています。同じ国でも民族が違えば、かような事は繰り返し起きます。民族がどんどんと独立していった国の代表がユーゴスラビアです。1918年に一つであった国は、今やスロベニア・クロアチア・ボスニアニヘルツエゴビナ・セルビア・モンテネグロ・マケドニアの6ケ国になっています。

ソ連解体も同じで、15の共和国をまとめていたのに、リトアニア・エストニア・ラトビア・ウクライナ・ベラルーシ・グルジア・アルメニア・アゼルバイジャン・カザフスタン・ウズベキスタン・トルクメニスタン・キリギスタン・タジキスタン・モルドバと全部独立しました。

ボーダレスとはそもそも世界統一政府を作ったい人々の論法であり、必ずしも好ましくはありません。彼らはヨーロッパを一つにしようとするのはとは反対に社会主義や共産圏の国々は解体分離しようとしています。次に狙われている国はもちろん中国であり、チベット・ウイグルの分離はむろん、北京と上海の権力対立をあおり、沿海部は二分させ、中国本体は四川に追いやり、旧満州の東北部にユダヤ人国家ネオ・マンチュリアを作る6分割にする計画です。

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