相場展望~晴天の霹靂
平成26年9月25日号(相場展望~晴天の霹靂)
暴落とは皆が予測できるような材料では起こりません。晴天の霹靂という言葉があるように、雨雲がどこにも見当たらないのに、雷が落ちるように、予測もしなかった出来事で起こります。ウクライナ問題・イスラム国問題・エボラ出血熱・スコットランド独立・アリババ過熱上場、こうった目に見えるような事で暴落はありません。
中国のバブルが崩壊すれば、リーマン・シヨック以上の事が起きると何度も言われてきましたが、一向に何も起こりません。そもそもバブル崩壊とは、まともな金融市場を持つ国にのみ起こる現象です。不動産価格が急落を続ける結果、そこに融資した金融機関の不良債権が膨れ上がり、金融機関の信用不安が起こり、金融の流れが急速に萎縮して国内経済が大不況になります。日本の不動産バブル崩壊もこのパターンでしたし、アメリカのサブプライム問題による崩壊も、さらにスペインのリゾート地におけるバブル崩壊も、すべてこのパターンで起きました。
中国がどうやってバブル崩壊を防いできたかというと、共産党一党支配下にある中国人民銀行が4兆$もの外貨資産を担保に人民元資金を発行し、問題となった金融機関にドルを注入し信用不安を起こしません。日本のバブル崩壊末期の飛ばしが国家的規模で行われているのです。表面上はこれで繕う事はできますが、実質破綻している中国国内の企業からの徴税は滞ります。そこで彼らの考えた手法は、独占禁止法を振りかざして、日米欧の外資企業から法外な違反金を取る事でした。その結果中国への投資は激減し、製造拠点を東南アジアや南アジアへ移す事になります。日本からの投資額は8月だけでも43%も減少し、アメリカからも16.9%、欧州からも17.4%も減少しました。
相場には先見性があり、東日本大震災で東電の株が2000円から120円へと急落する前、罫線は暴落を示唆していました。4530~2215円まで急落した後中段持ち合いを2年半年して再度の崩落を示唆していました。これとまったく同じチャートにあるのが上海指数です。6092~1706まで下げた後5年も中段持ち合いです。その上海に先行する指数は香港のハンセン指数ですが、週足で先週下に放れています。その時が来るのは遠くはありません。