相場展望~熱帯が牙をむく
平成26年9月4日号(相場展望~熱帯が牙をむく)
地震・雷・火事・おやじのおやじは親父ではなく、大嵐と書きます。オオアラシ・オオヤマジがいつしかオヤジと言われるようになりました。最近は偏西風の蛇行と海温の上昇によって、台風もいまでかつてない規模で到来したり、また台風でもないのに、局地的豪雨が襲い、降雨量の1年分がわずか2~3時間で降り、山津波が起きる事が増えています。森林は日頃は雨を蓄える自然のダムの役割を果たしますが、雨量が限界を越えると森林は吸収できずに、山崩れを起こし、山津波となります。広島の安佐北区や安佐南区を襲った豪雨は、まさにオヤジの怖さでした。
東南アジアは排水のインフラが整っていないので、洪水は頻繁に起きますが、上下水道の完備しているはずの日本で、洪水・山津波さらには雹によって排水の限界を越える出来事が頻発してきました。地球温暖化の初期の警告を人類が無視して乱開発をした結果です。程よい雨が降る地域は減り、旱魃か洪水かという両極端の天候が世界各地で起きています。森林伐採を進め、国土が砂漠化している中国の身勝手は、もはや中国だけに異常気象をもたらすだけでなく、その周辺国にも害を及ぼすのです。
江戸前天麩羅とは、アナゴ・ハゼ・キス・クルマエビで作る東京湾で取れる魚から作られたものですが、最近の東京湾ではシラコダイ・ロウソクチビキなど沖縄の方でよく見られる魚まで取れるようになりました。カツオノエボシという猛毒のクラゲもみられるようになりました。海の中だけでなく、熱帯の病気も日本で流行だしました。デング熱は直接患者から感染するのではなく、感染した人を刺した蚊を介してうつる病気です。強烈な頭痛と高熱をもたらします。エボラ出血熱ほど致死率は高くはありませんが、同じく蚊を介して感染する、かつて南方戦線で日本軍を悩ませたマラリアも上陸する可能性がでてきました。反日に加え、労働コストが上がっている中国から日本企業の多くは生産拠点を東南アジアに移しましたが、今度は、目に見えないウィルスに悩まされ出しました。日本軍はミッドウェイの海戦で敗れてから、退却したのに、それを転戦という言葉を使ってごまかしました。まさに日本企業は経済の転戦をしているのです。国内の雇用を蔑ろにした愚に気づくべきです。