相場展望~経世済民
平成26年6月26日号(相場展望~経世済民)
株価も景気もすべて国頼みとなってきました。消費税が3%増税されましたか、ごく一部の大手企業だけがベア1%、大半の中小企業の給与はわずかしか上がらず、物価だけが一人前に上がっているので、実質給与はマイナス3.1%位という状況です。消費税増税で落ち込んだ消費の担い手に誰がなるのか調べますと、年収で51万円アップした国家公務員、それに便乗アップをはかる地方公務員、そして年間で421万円も歳費がアップした国会議員です。増税法案を通しておいた国会議員の数も減らさないのに、歳費がアップするおかしな話です。給与がアップした人は社会全体からみれば少ないので景気が良くなる道理はありません。
増税で多くの家計は痛め付けられた状態で、ただでさえ公務員に比べれば収入が少ない私たちの年金を使って株価が買い上げられ、さらなる増税の素地を作ろうとしています。国民年金の受給額は税引きされて5.3万円、厚生年金でも15.2万円です。しかし地方公務員である学校の先生の受給額は25万円、先生は先生同志の結婚も多く、老後安泰です。共済年金も国民年金もすべて統合して平等な年金を受け取るようにするそんな法案は悉くつぶされて来ました。受給年齢を70才に引き上げ、働いている高給取りには支払わないそんな勝手な取り決めだけがされていきます。年金はこのまま受給者たちの支払いを続ければ間違いなく破綻します。
GPIFの日本株運用比率の上限を20%にする・NISAの100万円枠を倍の200万円にする、外国人にそっぽを向かれた株式市場を総動員で持ち上げようとしています。増税で庶民を痛め付けて、その庶民の懐で株価リフトアップを計る誤っています。経済とは経世済民の略です。経とは経営にも使われるようにおさめるという意味です。済とは救済にも使われるように、助ける・救うという意味です。『世をおさめ、民をすくう』これが正しい経済政策です。民を痛め付け、為政者だけが楽な生活をするこれは経済ではありません。