相場展望~最大の相場操縦・12/3号

相場展望~最大の相場操縦・12/3号

相場展望~最大の相場操縦 2015年(平成27年)12月3日号

穏便に配当利回りインカムゲインを求める投資家もいれば、利ザヤであるキャピタルゲインを追及する投資家もいます。郵政三社上場で、新しく株式市場に参入した人々は、長期で持っていれば上昇すると考える人が多く、公募株をなかなか手放さない行動をとりました。株式市場が活況を呈する為にはこういった安定株主とリスクテイクをとるスペキュレーター(投機家)の両方が必要です。株式の醍醐味は利ザヤの大きさこそにあります。

誠備投資顧問を歩合外務員でありながら立ち上げ、一世を風靡した加藤 あきら氏が相場操縦容疑で逮捕され、日本では稀有であった物言う株主として4000億の村上ファンド育てた村上世彰氏に強制捜査が入りました。日本の当局は日本の仕手筋ばかりを目の敵にしますが、日本市場における最大の相場操縦は欧米のヘッジファンドです。寄り付き前の個別株の気配操作・先物の大口の見せ玉・日本市場が閉じた後の先物操作は目に余るものばかりです。彼らに司直の手がなかなか入らないのは、デリバティブ取引に対する理解が欠如している為です。ご丁寧にも東証アローズは彼らの為に1秒間に4回も注文を出せる高速取引の手助けをし、それが株式市場の活況につながると曲解しています。

機敏な投資家の多くは値動きの大きい資本金が小さなマザーズやジャスダックの成長株・材料株に目を向けますが、それらの動きを投機的として不要な注意喚起や信用取引規制を東証は連発します。先物に連動しやすい株式ETFが一番の人気商品となってもそれを注意銘柄にする馬鹿さ加減、ETF以外の注意喚起・信用規制銘柄数は80を超えています。本来注意喚起すべきは信用の売り買いが過度に増えた銘柄だけで十分であります。その条件に合致するものは現在8銘柄しかありません。投資家は子供ではありません。過度な介入は株式市場の活気を殺ぐだけです。東証はヤクザ外人の機嫌取りさえしていれば気がすむのかもしれませんが、本来大切にすべきは個人投資家の自由売買にこそあります。

上海市場は新規上場を再度認めるとしただけで大幅安となりました。いくらPKOをしても企業の業績が一向に上向かなかったから、わずかな需給悪化要因が売り材料になったのです。これをみて東証は笑う事ができるでしょうか、いや笑えません。

 

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